子どもの虫よけ・日焼け止め、何を選ぶ?
夏になると、公園遊びや水遊び、キャンプなど、子どもが屋外で過ごす時間が増えてきます。 その一方で、気になるのが虫刺されと紫外線です。
ドラッグストアに行くと、虫よけだけでも「ディート」「イカリジン」「天然成分」「シールタイプ」など多くの商品が並び、 「赤ちゃんには何を使えばいい?」「天然成分の方が安全?」「日焼け止めと虫よけはどちらを先に塗る?」と迷う方も多いと思います。
この記事では、子どもの虫よけと日焼け止めについて、できるだけ分かりやすくまとめます。
・生後6か月未満では、まず衣服・蚊帳・ベビーカーカバーなどの物理的対策を優先
・ディートも有効ですが、子どもでは年齢による使用回数制限があります
・「天然」「オーガニック」だから効果が高い、安全とは限りません
・虫よけシールやリングは補助的なものと考えます
・日焼け止めと虫よけを両方使う場合は、日焼け止め → 虫よけの順です
なぜ子どもに虫よけが必要?
子どもは虫に刺されると、大人よりも赤みや腫れ、かゆみが強く出ることがあります。 掻きこわして「とびひ(伝染性膿痂疹)」につながることも珍しくありません。
また、蚊やマダニなどは、日本脳炎、デング熱、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症を媒介することがあります。 必要な場面では、きちんと虫よけを使うことも大切な感染症対策の一つです。
子どもの虫よけは「イカリジン」が使いやすい
現在、日本で子どもに使用する虫よけ剤として主に使われている有効成分は、 「イカリジン」と「ディート(DEET)」です。
イカリジンとは?
イカリジンは、蚊、ブヨ(ブユ)、アブ、マダニなどに対して虫よけ効果があります。 日本では2015年から使用されており、現在は5%製品と15%製品が市販されています。
- 年齢制限なし
- 1日の使用回数制限なし
- 皮膚への刺激が比較的少ない
- 衣類やプラスチックへの影響が少ない
基本的には、濃度が高いほど「効き目が強くなる」というより、効果が長く続くと考えると分かりやすいでしょう。
ディート(DEET)とは?
ディートは非常に長い使用実績があり、虫よけ効果について最も多くの研究が行われている成分の一つです。 蚊だけでなく、ブヨ、アブ、マダニ、ツツガムシなど幅広い虫に効果があります。
一方、子どもでは使用方法に制限があります。
生後6か月~2歳未満:1日1回まで
2歳~12歳未満:1日1~3回まで
12歳以上:通常の使用方法で使用可能
特にディート30%などの高濃度製品は12歳以上が対象です。 山林やキャンプなど虫が非常に多い環境では有用ですが、小さな子どもの日常使いではイカリジンの方が扱いやすいことが多いでしょう。
イカリジンとディートの違い
| 比較 | イカリジン | ディート |
|---|---|---|
| 子どもの年齢制限 | なし | あり |
| 使用回数制限 | なし | 12歳未満ではあり |
| 虫よけ効果 | 高い | 高い |
| 研究・使用実績 | 十分あり | 非常に豊富 |
| 衣類・プラスチックへの影響 | 比較的少ない | 変質させることがある |
| 子どもの日常使用 | 使いやすい | 使用方法を守れば使用可能 |
年齢別:虫よけは何を選ぶ?
0~5か月
イカリジンには承認上の年齢制限はありませんが、生後間もない赤ちゃんは皮膚のバリア機能が未熟です。 「使える=積極的に塗った方がよい」ではありません。 必要性が高い状況では製品表示を確認して使用しますが、まずは虫に接触させない工夫を優先しましょう。
6か月~1歳
日常的な外出では、イカリジン5%程度の製品が使いやすいでしょう。
ディートも使用できますが、生後6か月~2歳未満では1日1回までという使用制限があります。
2~11歳
公園遊びや保育園・幼稚園、日常の外出ならイカリジン5~15%が使いやすいでしょう。
キャンプ、山、川遊びなど虫の多い場所で長時間過ごす場合は、持続時間の長いイカリジン15%も選択肢になります。
ディート製品も使用できますが、12歳未満では1日1~3回までとされています。
12歳以上
イカリジンに加え、必要に応じてディート30%などの高濃度製品も使用できます。 特に登山、キャンプ、山林での活動などでは選択肢になります。
市販品はどんなものを選べばよい?
商品名そのものより、パッケージの「有効成分」と「濃度」を見る習慣をつけるのがおすすめです。
| 使用場面 | 選び方 | 市販品の例 |
|---|---|---|
| 短時間の散歩・公園 | イカリジン5% | KINCHO プレシャワーDF など |
| 長時間の外遊び・キャンプ | イカリジン15% | 天使のスキンベープ プレミアム、プレシャワーDF プレミアガード など |
| 12歳以上・虫が非常に多い場所 | イカリジン15%またはDEET30% | 各社高濃度虫よけ製品 |
「天然」「オーガニック」なら安心?
虫よけ売り場には、レモングラス、シトロネラ、ユーカリなどを使用した「天然成分」「オーガニック」をうたう製品も多くあります。
しかし、天然成分=安全、天然成分=よく効く、というわけではありません。
植物由来成分でも皮膚炎やアレルギーを起こす可能性があります。 また、ディートやイカリジンほど虫よけ効果が確認されていない製品も少なくありません。
虫が多い場所では、有効成分を皮膚に塗る虫よけ剤の代わりにはならないと考えておきましょう。
虫よけ剤の正しい使い方
1.大人が塗る
乳幼児には、子ども自身にスプレーを持たせず、大人が塗ってあげましょう。
顔に使用する場合も直接スプレーせず、一度大人の手に取ってから必要な場所に薄く塗ります。
2.塗らない場所を確認する
・口の周囲
・傷のあるところ
・湿疹や皮膚炎があるところ
・乳幼児の手のひら
小さな子どもは手を口に入れるため、手のひらには塗らないようにしましょう。
3.露出しているところにムラなく塗る
虫よけはたくさん吹きかければよいわけではありません。 腕、脚、足首、首筋など露出している皮膚にムラなく薄く広げることが大切です。
4.帰宅後は洗い流す
屋外での活動が終わったら、虫よけ剤を塗った部分は入浴やシャワーで洗い流しましょう。
子どもの日焼け対策
紫外線対策というと日焼け止めを思い浮かべますが、子どもでは日焼け止めだけに頼らないことが大切です。
・日陰を利用する
・帽子や衣類で覆う
・覆えない部分に日焼け止めを使う
生後6か月未満
生後6か月未満では、まず直射日光を避けること、衣類や帽子、日よけを使うことが基本です。
十分に衣類などで覆えない場合には、顔や手の甲などの小範囲に日焼け止めを使用することもありますが、 「赤ちゃんだから毎日全身にしっかり塗る」というより、まず物理的な紫外線対策を優先しましょう。
6か月以降
外遊びの際には日焼け止めを使用して構いません。
| 場面 | 日焼け止めの目安 |
|---|---|
| 通園・散歩・公園など | SPF20~30程度 |
| 海・プール・キャンプ・長時間の屋外 | SPF50+、PA++++、耐水性のある製品 |
汗をかいたり、水遊びをしたり、タオルで身体を拭いたりすると日焼け止めは落ちます。 長時間屋外で過ごす場合には、2時間程度を一つの目安に塗り直すとよいでしょう。
市販の日焼け止めはどんなものを選べばよい?
日焼け止めも、商品名だけでなく「SPF・PA」「落としやすさ」「耐水性」を見て選ぶと分かりやすいでしょう。 普段使いと、海・プールなどのレジャーでは使い分けるのがおすすめです。
| 使用場面 | 市販品の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 赤ちゃん・普段のお出かけ | ピジョン うるおいミストUV SPF30 PA++ |
日常的な散歩や外出に使いやすいタイプ。 |
| 赤ちゃんの日常使い | ママ&キッズ UVライトベール SPF23 PA++ |
毎日の散歩や短時間の外出向け。 |
| 海・プール・長時間の屋外 | ピジョン UVベビーミルク ウォータープルーフ SPF50+ PA++++ |
水遊びや強い紫外線の下でのレジャー向け。 |
| 幼児・学童のしっかりした外遊び | ビオレUV キッズ ピュアミルク SPF50+ |
汗や水に強いキッズ向け製品。 |
一方、海・プール・キャンプなどでは、SPF50+、PA++++、耐水性など使用環境に合った製品を選びましょう。
※上記は市販されている製品の一例です。特定の商品だけを推奨するものではありません。 製品はリニューアルされることがあるため、購入時にはパッケージの対象年齢・使用方法をご確認ください。
日焼け止めと虫よけ、どちらを先に塗る?
↓
2.少し乾かす
↓
3.虫よけを塗る
基本的には「日焼け止めを先、虫よけを後」です。
両方を手のひらで混ぜて一緒に塗るのではなく、まず日焼け止めを塗り、少し乾かしてから虫よけを使用しましょう。
まとめ
まずは衣類、蚊帳、日陰などで守りましょう。必要な場合は製品表示を確認してイカリジンを使用します。
幼児~小学生の日常使い
イカリジン5%程度から選ぶと使いやすいでしょう。
キャンプ・山・長時間の外遊び
イカリジン15%など、持続時間の長い製品を検討します。
「天然成分だから安心」とは限りません
商品名やイメージだけでなく、有効成分と虫よけ効果を確認しましょう。
日焼け止めと虫よけを両方使用するとき
日焼け止め → 虫よけの順です。
虫よけや日焼け止めは、「できるだけ使わない方が安全」というものでも、「たくさん使えば安心」というものでもありません。 子どもの年齢や外出する場所、時間に合わせて、必要なものを適切に使用することが大切です。
特に低月齢の赤ちゃんや、湿疹・アトピー性皮膚炎などで皮膚の状態が不安定なお子さんについて、 使用する製品に迷う場合は、かかりつけの小児科や皮膚科でご相談ください。

